逗子でCOPETEN

逗子でCOPETEN

”コぺ転”とは、考え方やモノの見方が180度がらっと変わること。都内から逗子に移住してみて感じたコぺ転を書き綴ります。

COPETEN-015 思い出の味

f:id:naokicampbell:20170626105706j:image

先日、友人の一周忌を迎えた。

 

祖父母が亡くなることには立ち会ってきたが、親しくしていた友人がある日を境にこの世界からいなくなってしまうことは初めてだった。

 

闘病が続く中、足繁く病院に通い、たわいもない話をして笑って、この人ケロッと退院しちゃうんじゃないかな?って思って週末にお見舞いに行かなかった翌日の月曜に旅立ってしまった。

 

訃報の知らせを受けて急いで病院に行ったら、その人が寝ていたベッドは綺麗に片付けられて、なんだよ感傷に浸らせてすらくれないのかよと思ったのをよく覚えている。

 

それからはあっという間で、葬儀もわんわん泣いていたら終わってしまって、あまり尾をひくことなくその人のいない日常は始まって一年。

f:id:naokicampbell:20170626111143j:image

僕にとっては本当にあっという間の一年だったけど、旦那さんに先立たれた奥さんはお墓まいりで「この一年、本当に長かった」と。

 

いつも当たり前にいてくれていた存在がある日を境にその目で見ることも、手で掴むこともできなくなってしまう。存在が日常に溶け込んでいればいるほど、無いものとするのは難しく、奥さんはこの一年そのことと向き合ってきたんだなぁと思うと、締め付けられる思いとふんわりと温かな気持ちが入り混ざった。

 

いなくなってしまうことで生まれる感情、思い出される記憶、再認識する絆、多くのものをこの一年でもらっていたことに驚き、たぶん天国でドヤ顔をしていることだと思う。

f:id:naokicampbell:20170626110955j:image

昨夜は故人の思い出の店、Billsに行き思い出の味を食べにみんなで行った。しかし、そこにもう思い出のメニューはなかった。

 

それでもこれまでに食べたことのない美味しいご飯を食べ、飲み、笑った素敵な時間だった。ひとつ思い出の味が新たにできた夜だった。